見出し 現在地→ 参集殿  作:雛咲 梓

 

+ 「あれみちの丘」

 

かはたれ時に、呼吸が二つ。
急いて登った丘の上。
優しい陽光、その中で、
目を開いて、開いて、君といる世界を見つめる。
こんなに綺麗な景色の中で、ほかの何よりも輝いてる君は、一体どれだけ美しいんだろう。
光があんまり眩しくて、涙がついと伝う中、繋いだ右手に力を込めた。

 

 

たそかれ時に、呼吸が一つ。
急いて登った丘の上。
優しい夕光、その中で、
目を開いて、開いて、君といた世界を見つめる。
こんなに綺麗な景色の中で、ほかの何よりも輝いてた君は、一体どれだけ美しかったんだろう。
記憶があんまり眩しくて、涙がついと伝う中、冷めた右手に力を込めた。

 

 

かはたれ時に、呼吸が一つ。
登った丘で、空を見る。
優しい君と、いた場所で。
目を閉じて、閉じて、君といた景色を描く。
どんなに綺麗な世界にいても、君はやっぱり輝いていて、ずっと一番美しいんでしょう。
貴女が今でも眩しくて、涙が止まらなかったけど、掲げた右手を大きく振って、そらのかなたに、別れを告げた。

 

 

 

 

 

 

「あれみちの丘」 ―完―

 

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