見出し御朱印   琳天 御日部神社    夕桧絵 秋葉

 

もし、あなたが惑い、この土地へ赴いたのなら、ここにある空を覚えておいて下さい。

 

もし、あなたが迷い、この土地へ赴いたのなら、ここから見える空を覚えておいて下さい。

 

いつかまた、あなたが顔を上げ、涙を耐える時、この空が、あなたを支えてくれるでしょう。

 

大事な人がいますか? 好きな人がいますか?
やさしくなくとも、やさしくしてあげたい人がいますか?
弱いと分かっていても、強がってあげたい人がいますか?

 

苦しくても笑いますか? 切なくなくても泣きますか?
そうですよね。 だって、生きているんですもの。

 

 

あなたの人生がかけがえのないように、誰かの人生もまたかけがえがないんです。
誰かを知るということは、誰かの人生を知るということ。

 

そうすることで、誰かの悲しみを分かつことができるかもしれません。
そうすることで、誰かの喜びを共に分かつことができるかもしれませんね。

 

けれど、誰かを知った代償に、あなたは、誰かを失う悲しみを一人で背負うのです。

 

知らない誰かがいて、知りたい誰かがいて、自信のないあなたもいて、
誰かにとっては、あなたも誰かでしかなくて、
知るということは覚悟するということだとして、
それでもあなたには、

 

大事な人がいますか? 好きな人がいますか?
やさしくなくとも、やさしくしてあげたい人がいますか?
弱いと分かっていても、強がってあげたい人がいますか?

 

苦しくても笑えますか? 切なくなくても泣けますか?
あなたの人生がかけがえのないように、誰かの人生もまた、かけがえがないとして、
知るということは、別れを覚悟するということだとしても、

 

それでも、あなたは人を好きになれますか?
経験する事が、必ずしも力になるとは限らないとしても、
それでも、あなたは人を好きになれますか?

 

いいえ、なれるでしょう。 だって、 あなたは生きているのだから。
人の縁とは、偏にそういうものなのだから。
―だからね、最初の一歩は大きくなさい。 勇気が震えないように。

 

 

 

 

 

 

 

もし、いつかまたあなたがこの土地へ赴くことがあるのなら、
うまくいったとして、うまくいかなかったとして、
愚痴だとしても、惚気だとしても、ゆっくり聴きましょう。

 

たまには、立ち止まるのもいいでしょう。
あなたが踏み入れた、このそらのかなたのその縁もまた、変わらずあなたを迎えるということ。
それもまた、そういうものなんですよ。

 

 

 

 

 

 

―ようこそ、御日部へ

 

 

 

 

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